高血圧症

 どのくらいの血圧だったら、どのくらいの程度重症の高血圧なのかというのは、だれしも気になるところです。しかしこの問題は、学会でも必ずしも結論が出ているわけではなく、学問の進歩に応じてその標準も変わってきています。最近アメリカの権威ある研究団体が、最新の考え方を示しましたが、日本の学会でもこの基準を参考にしようとしています。

 その研究報告というのは「高血圧の発見/診断/治療に関する米国合同委員会」という少しいかめしい名前の研究委員会の第5次の報告です。何年かの研究を経て、その時どきの高血圧診療の新しい指針を発表してきています。

 この報告で注目されるのは、収縮期血圧(高い方の血圧値)と拡張期血圧(低い方の血圧値)を同等に重要だとしている点です。それまでの報告では、主に拡張期血圧の方を重要視して高血圧を分類していました。さらに重症度の分類を従来の3段階から4段階へと細分化しています。従来の基準ではなかった超重症という区分を作っています。

 従来は、18歳以上の成人では、軽症(拡張期血圧90〜104mmHg)、中等症(115〜114mmHg)、重症(115mmHg以上)という分類でしたが、表に示したように、収縮期血圧も加えて、10mmHgごとに4段階に分類したものです。この分類を参考にすると、自分の高血圧の程度がどの程度なのかの目安になると思われます。しかしこの数値はあくまでも目安ですから、きちんとした診断は、主治医からしてもらうのは当然のことです。

 またこの報告では、心臓病や脳卒中など、心臓/血管系の病気にかかる危険性の少ない理想の血圧値についてもふれています。

 それによりますと、理想的な血圧値は、18歳以上の成人で、収縮期/拡張期の血圧値が、120/80mmHg末満であるとしています。この数値も皆さんの血圧管理の目標値になるとは思いますが、あくまでも目安であって、きちんとした指示は主治医から受けなければならないことは言うまでもないことです。

 ご自分やご家族の血圧に関して心配がありましたら、お気軽に当院までご相談ください。


18歳以上の成人における血圧の分類
分 類
収縮期血圧
(mmHg)
拡張期血圧
(mmHg)
正 常 <130 <85
正常高値 130〜139 85〜89
高血圧   
軽 症
中等症
重 症
超重症
140〜159
160〜179
180〜209
≧210
90〜99
100〜109
110〜119
≧120