地域のお医者さん アベ内科クリニック 総合内科

院内誌「うるおい」

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第83号 生命のエネルギー効率とは  (2026年・冬)

第83号

 もし、人間を他の動物や生命体と全く異なる存在と考えているとすれば、それは科学的に大きな誤りかと思います。人体には時に「魚の鰓」の痕跡が残っている人がいます。耳を動かす筋肉・四つ以上の乳首・第三の眼(松果体)など、人間の起源が魚や動物であった証拠です。

 血液の成分は濃度こそ違いますが、海水と組成が似ているのも我々の起源が海水で誕生した名残です。もっと注目したいのは、生命が活動するための栄養の摂取と生命を維持するエネルギーの問題です。生命は最低限の栄養の摂取で最大のエネルギーを生み出しています。生化学を学んだ人なら、それがいかに効率的で、いかなる科学的機器も到底及びつかないレベルと解ります。

 生命とはかくも奇跡的なのです。魚であろうと昆虫であろうと動物であろうと常に飢餓状態が基本的環境です。肥満した魚・太った昆虫・肥満した野生の動物を見たことがありますか? 彼らはいつも腹一杯に食べていることは出来ないのです。ですから、たまたま食物にありついて上がった血糖を下げるホルモンはインスリンしかありません。

 反対に飢餓状態で生き残るために血糖を上げるホルモンが五つはあると思います。人間だけが唯一の例外です。我々は「うまい物」をお金があれば無制限に食べられます。一方で世界では一日を生きる術を持たない人間も一億人以上はいるでしょう。わずかな食料で最大のエネルギーを生み出しています。それを運動で消費するのは至難の業なのです。

 マサイ族はわずかな食料で毎日四〇km歩きます。時には八〇kmに及びます。地球の気候変動はそのうち我々を飢餓状態に直面させるでしょう。 飽食の時代は終わるのです。


第82号 炎症・酸化・糖化とは  (2025年・春夏)

第82号

 疾患の多くに関与するものは、ごく簡単にいえば「炎症・酸化・糖化」といえます。我々の健康を保持することも悪くすることも「日々の食事」でしかありません。それが全てです。それ以外の因子があったとしてもごくわずかでしょう。

 我々は毎日の食事と、呼吸で得た酸素によって、実に効率よくエネルギーに変換しますが、体によくない廃棄物も産生します。一つは「活性酸素」であり血管を損傷します。酸化物質も一種のサビですから蓄積すると体を悪くします。糖分の摂り過ぎはタンパク質と結合して老化促進物質を生成します。

 活性酸素は体を酸化させ、その酸化により細胞を変性させ破壊します。それが多くの疾患を作り・老化を促進するのです。「美味しい物が健康によいとは限らない」といえます。

 多くの美味しく感じる酸化食物を避け、反対に抗酸化食物を多く摂り、甘く感ずる砂糖を摂り過ぎないことが大切です。活性酸素も酸化物質も、さらに歯周病菌さえ体内で炎症を起こすのです。

 では、問題となるものは何でしょうか。まずよくない食品であり、添加物であり、習慣です。

 医学的に考えれば「美味しい」あるいは「美味しくしている」ものには注意が必要です。反対に抗酸化作用があるものは、よい食品であり、選択的に選んだ食べ物であり、よき習慣です。これを続けるだけで体は老廃物・毒素を排泄することが可能です。


第81号 自分にエサを与える?  (2024年・秋)

第81号

 我々は得てして自分の好みで食事をして自分が生きていると思うだろうが、実際は千種類、百兆もある腸内細菌と共生して生きている。

 善玉菌は腸内環境を整え、ビタミン・乳酸・酢酸を作り消化を助けるし、免疫細胞を活性化させウイルスを撃退する。

 一方で悪玉菌は有害物質を作りガンとの関係があるようだし、タンパク質を腐敗させる菌もある。正体不明の細菌は無数にあり様々な役割を負っている。