
第43号 ご挨拶 (2010年・春)
口腔は消化器の一部です。永久歯を残しておくことが「全身疾患」を予防します。そのためには歯周病にならないようにすることです。
口腔内には善・悪玉菌を含め数百種類の細菌がいいます。歯周病は歯茎についた歯垢(プラーク)によって起き、歯垢は細菌の(かたまり)で、この中に歯周病細菌がいます。歯と歯肉の間にある歯周ポケットでこの細菌は繁殖し、歯肉のはれや出血などの症状を引き起こし、歯肉がやせて歯のまわりの骨がとけてきて歯が抜け落ちます。
最近、歯周病が様々な全身疾患と関係あることが判ってきました。血液中の歯周病菌が、その毒素や炎症反応の影響で、心臓の冠動脈などが血栓によって詰まる原因となることがあります。歯周病が進行していると、これらの心疾患になる確立が約三・六倍も高まります。すでに心臓に病気がある場合などは、血液に入り込んだ歯周病菌が、人工弁や心内膜などに歯周病菌が付着して増殖、感染性心内膜炎になることがあります。当院でも同じ患者さんがいます。その他、糖尿病の悪化、早産、肺炎、つまり要介護の高齢者などは誤って唾液を気管に入れてしまうことが少なくなく、歯周病菌などが多く唾液中に含まれていると、誤嚥性肺炎を起こすことがあります。これは寝たきりの状態の長期化につながります。
以前は歯周病菌が全身に影響を与えるなど考えられませんでした。しかし血管内に歯周病菌が入り込むことを考えると、今後もさまざまな病気に影響を与えることが、明らかになってくる可能性があります。まさに生活習慣病と云われる訳です。単に歯ブラシで歯を磨くだけでなく、歯間ブラシなどを積極的に使って歯垢を落とすことがとても大切です。最近は超音波電動歯ブラシもとても有効です。
第42号 ご挨拶 (2010年・冬)
新年明けましておめでとうございます。今年も皆様がご健康でありますように。
さて、今回もインフルエンザのお話をしましょう。我々が初めて経験している新型インフルエンザの脅威はもうおわかりかと存じます。乳幼児があっという間に脳症で死亡するのです。そして極めて伝染性が強いですね。しかし、鳥由来のインフルエンザが人同士で感染するようになると事態はもっと深刻で死者の数は数十万に達します。ウィルスはこのように変異して何とか人に感染させるように、あたかも頭脳を持っているかのように増殖するのです。感染症はこれからもウィルスとの戦いがつきることはないでしょう。それにしても新型も季節性もワクチン不足になるとは先進国の政府の対応は恥ずかしい限りですね。
正月を過ぎると「季節性のA型インフルエンザ」と「同じA型の新型」とは区別がつかなくなることを留意してください。いずれにしても治療も安静にしておくことも変わりはありません。マスク・うがい・手洗いは基本的な予防法です。また、春先になるとB型が流行します。
当院のインフルエンザ対策はまず、四台の大型の紫外線・オゾン発生装置を稼働させています。一晩で待合室は無菌状態となります。それに加えてプラズマクラスターイオン発生装置が二台ありウィルスは完全に破壊されます。こんな診療所はまずありません。ですから気がつかれると思いますが当院は病院臭くないでしょ。このように当院は院内感染がおきないよう万全の対策をしておりますのでご安心くださいませ。
第41号 ご挨拶 (2009年・夏)
人のインフルエンザに関する限り、豚インフルエンザとか鳥インフルエンザという表現はありません。豚は豚同士、鳥は鳥同士の感染であって、人同士のインフルエンザはあくまで「人インフルエンザ」です。今回は豚のH1N1インフルエンザが変異して人同士で感染可能な「新型インフルエンザ」となったわけです。幸いなことに、この新型インフルエンザは弱毒性であって、且つスペイン風邪と同じ型であったため一九五七年以前に生まれた人の一部には免疫があり、対応する中高年の人には何らかの防御反応性があったのです。
今回の騒動をマスコミは「やりすぎ」「人騒がせ」だとか色々と非難されましたが、私はそうは思いません。一つは、今回のインフルエンザが強毒性になる可能性と、もう一つは東南アジアの鳥インフルエンザが極めて強毒性であって、これが人同士で感染するように変異すれば重大なことであり、日本でも数十万人の死者が出るのです。ですから、今回の各地の処置は鳥由来の新型インフルエンザへの「予行練習」とみなせば良い訓練であり良かったと思います。
この冬に向けての予防接種ワクチンの内容は二種類あり、一つは、豚由来の「新型」ではない通常の季節性ワクチンであり、もう一つは今回の新型インフルエンザ対応のワクチンです。しかし、新型は製造に時間がかかるので、政府は輸入してでも五千三百万人分のワクチンを確保する予定です。このパンフレットが配られる頃にはワクチン接種をどう対応するかが決定しているかもしれませんね。
しかし、インフルエンザの予防はなんといっても「手洗い」と「うがい」です。室内を乾燥させないことも重要です。また「マスク」は必需品であり他人に感染を広げないマナーと考えて下さい。また、インフルエンザに感染したら、薬が処方されたとしても外を出歩かないことです。薬で解熱するとすぐ学校や会社に行く人がいますが大きな誤りであり、解熱しても他人に感染させる状態ですから一週間は休む勇気が是非とも必要です。他人に感染されれば、それが悪循環となり集団感染を抑えることができなくなるのです。みんなでよく注意しましょう。
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